世の中には、盲目の人が存在しています。盲目のマッサージ師はなんとなくわかりますが、盲目の料理人もいます。全盲なのに登山をされる方やヨットで太平洋を横断した方もいます。すごい!の一言ですが、ぜひ盲目デイキャンプを体験してみてください。室内ではなく、いきなりアウトドアで行います。参加者にはフェイスガードをつけていただきます。参加者同士をロープでつないで焚き火をしていただきます。杖もお渡しします。
コウモリやイルカ、クジラは、目ではなく耳で空間把握をしています。そんな特殊能力は彼らの特殊能力だと長い間考えられてきました。しかし、近年の研究で、人間も訓練さえすれば、この能力が習得できることが証明されました。この能力は、「エコーロケーション」「反響定位」などと呼ばれるスキルであって、決して特殊能力ではなかったのです。人間もコウモリやイルカなどと同じように空間を把握できるのです。
あなたも座頭市のように、背後から近づく敵の気配を察知したり、暗闇でも周囲を把握したり、視覚に頼らなくても空間把握ができるスキルを身に着けたいですか?研究によると、これは特別な人じゃなくても、誰しもが習得可能なスキルなのです。イギリスのダラム大学の心理学部に所属するロア・ターラー氏らによる研究チームは、訓練を受けた視覚障害者がエコーロケーションによって空間を把握できると発表しました。また、目が見える健常者であっても、訓練さえすればエコーロケーションのスキルを習得できるとも発表されました。研究の詳細は、2021年6月2日付の科学誌『PLoS One』に掲載されました。
エコーロケーションは、動物が音や超音波を発し、その反響で物体との距離や大きさ、方向などを把握する技術です。この技術は一般的にコウモリやクジラなどが行うことで知られています。以前の研究では、一部の視覚障がい者が舌打ちや杖で地面をたたく行為により、エコーロケーションを行っていると示唆されていましたが、今回の研究では、健常者と視覚障害者の両方が口で発するクリック音を使って訓練を行い、すべての測定値においてパフォーマンスを向上させたそうです。そして、一部では目の見える人の方が、見えない人よりも高い成績を収めた例もありました。さらに、「学習率やエコーロケーション能力には、年齢や視覚障がいの有無が大きな影響を与えない」という発表も行われています。どんな人でも訓練次第でエコーロケーションを習得できるということです。
エコーロケーションの能力を使って、知らない場所を移動し、自分の前にあるクルマの形状を正確に説明し、遠くにある建物の建築スタイルを当て、自転車に乗っているダニエル・キッシュさんの動画はyoutubeで見ることができます。 |